2019

KUDANMINAMI TERRACE

オフィス

  • 用途:店舗・事務所
    竣工:2019年11月
    構造:鉄骨造
    階数:地上10階 地下1階
    敷地面積:52.95㎡
    建築面積:43.81㎡
    延床面積:419.40㎡

  • 設計:佐久間徹設計事務所
    構造:むらの構造設計室
    施工:春日建設
    撮影:長谷川健太
    *店舗2戸、事務所9戸

靖国神社の向かい、靖国通り沿いに建つ地下1階地上10階からなるオフィスビルです。52㎡ほどの敷地いっぱいに建つペンシルビルとなっており、低層階からは通りの桜越しに靖国神社を臨み、高層階からは先に広がる東京が一望できます。細長いビルは施工費が割高となる傾向にありますが、立地がよいために十分にパフォーマンスできています。外壁の輪郭は施工可能な敷地境界からの寸法から割り出し、建物内も最大限効率のよい動線からプランニングしています。構造は、施工性を考慮して鉄骨造を選択しました。

下部の2フロアは貸店舗となっています。道路面からはスキップフロアを形成して、2店舗とも路面店に近い状態で配置しました。オフィスのエントランスホールへは階段を半階登ってアプローチし、各階へはエレーベーターでアクセスします。基準階は、1フロア1テナントとして共用部をつくらず、避難上の屋外階段とバルコニーを確保することで、使い勝手の良い平面を目指しました。

外観は、ガラス面・バルコニー(ガラス)・屋外階段、それぞれが約3分の1ずつとなっています。内部からの開放感を保つため透過性の高さを重要視していますが、高層ビルになると、通常時には役立たない屋外階段が無骨になりやすい点が課題となります。そこで、その階段をポジティブに捉えることとして、低層部には密度の濃い緑を、高層部にはある程度透過性のある緑を設置して包むこととしました。鉄骨の構造には耐火のために被覆を施す必要がありますが、仕上げには木材を採用しています。ほか、リン酸処理した亜鉛めっき鋼板、ステンレス、アルミ、落ち着いた色彩の仕上げ材を採用しました。

豊かになっていく壁面の緑と、街路樹の桜が映えるように、通りを豊かにしてくれると期待しています。